。 : ということは見ないと何も使えない? 稲船氏: そう。夢の中では「そこにあるもの」しか使えないから,ゲームで言うところの武器がないんですよね。 : あぁなんだかゲームっぽくなってきた……。意図的に見ないとダメなのかな。 稲船氏: いや,意図的に見なくても使えるし,その夢に入る何十秒か前の記憶が,全部夢の中での現実になるんです。そういうゲームシステムです(笑)。 で,DQ10 RMT,その名残りがこの本にはあるんですね。小説なので,夢の中で殴り合ったりとか悚驌膜沥蓼盲郡辘趣いΕ珐`ンは出てこないんですけどね。 : どっちかというとサスペンスホラータッチなんですね。 稲船氏: そうですね。もしこれをゲームにした場合は,きっとそこがもっと派手なアクションになるだろうなぁ,という感じですかね。 : ゲームとしてサブセット版が出来たりしないんですか。 稲船氏: うーん……。夢の中ではスーパーヒーローになれるって話なわけですよね,これって。 それこそ「マトリックス」じゃないですけど,現実の自分と夢の中の自分は違ってて,現実の自分は弱くて親から虐待を受けてるんだけど,夢のなかの自分は親からの虐待もはね返せるし,人を救うことも人を殺すこともできる強い力を持った人間なんです。でもその力を,「あなたはどう使いますか」って聞かれると……。 : どっちに転ぶんでしょうね。 稲船氏: いじめられていじめられて,もう自殺にまで追い込まれそうな人がその力を得たときには「殺してやる」ってなるかもしれないじゃないですか。 : まったくです,ドラゴンクエスト10 RMT。 稲船氏: 僕がヒーローになって,いじめられてる子を救うんだ! という人もいるかもしれないけど,基本的に人間は弱い生き物なので,簡単なほうを取っちゃうんじゃないのかなぁって。小説では,「簡単なほう」を選んだ犯人側と,ホントはイヤだったんだけどいろんなことがあって救う側に回った主人公と,そういう対比も見てほしいですね。 なので意外にストーリーが複雑で,そのままゲームにするのは難しそうです(笑)。 : そうなんですよね。最初に「稲船さんが本を出す」って聞いたときにこれをここ(編注:光文社さんの社内でインタビューしている)で言っていいのか分かりませんがこんなに紙メディアが厳しい時代にわざわざ書籍化かぁ,って一瞬思っちゃったんですね。せめてラノベ的なものだったりすれば展開もいくぶんやりやすそうかな,とか
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